
こんにちは,kazumiです。
瀬戸内国際芸術祭は10月末を持って。閉幕しました。
予想の30万人をはるかに,はるかに超える90万人を動員しての閉幕。
いいことも,そうじゃないことも色々含めての予想外。
瀬戸内国際芸術祭はトリエンナーレであることがすでに決定しています。
3年後に反省点などが生かされればと思いますね。
混雑やごみ,地元住民の日常生活が脅かされることもあったかと思います。ご迷惑に思った方もいらっしゃったと思いますが,私は本当に楽しませていただきました。
ありがとうございました。3年後もよろしくお願いします。
この芸術祭がなければゼッタイに,ゼッタイに体験できなかったことがいくつかあったんですが,何といっても今回いくことができた大島でした。
大島はハンセン病の回復者の療養施設「国立療養所 大島青松園」のあるところ,というより,島全体が大島青松園なんです。
ハンセン病はハンセン医師が発見したらい菌によって発病する感染症のことです。らい病とも言われていました。このらい菌の感染力は弱く,発病率もきわめて低いもので,現在では化学療法で完治する病気なんです。
でも,以前は不治の病どころか子孫にまで遺伝する病気であると誤った認識をされていました。しかもこの病気は末梢神経に大きな影響を残し,手や足,顔の一部が壊死し崩壊しその容貌が大きく変化してしまうこともあって,患者や回復者,その家族までもが偏見と差別のために辛い思いをしてきたという歴史がありました。
この青松園はハンセン病患者を隔離する目的でつくられた施設です。
この島へは通常渡航することは,回復者の家族や関係者でなければ大変難しく,今回の芸術祭の会場に選ばれていなければ来れることはなかったんじゃないかと思います。

今回はパスポートを持っていれば渡航が許可され,ガイド付きツアーに参加できます。ただし,大島までは官有船で行かねばならず,フェリーと違って定員以上は乗ることができません。ですから,この整理券が大事なんです。


ハンセン病の症状の1つに末梢神経の壊死があるのですが,その影響で視力が低下したりまたは失われたりすることが多いのだそうです。町には常に童謡のような音楽が流れているのですが,これは視力が弱くなった回復者のために交差点などがあることを知らせる目的があるそうです。
道路にある白線も弱視者に対して道路の中央を示すためにあるそうです。

亡くなられた方がここに納骨されています。

カフェシヨルです。大島で採れた土で作った食器が使われています。
屋島の戦いで破れた平家がそのときの亡骸を埋葬したときに墓標代わりに植えた松だそうです。

この石の台のようなものが解剖台です。衝撃が大きすぎます。
当時はハンセン病の患者どおしで結婚することは許されていたようですが,子供を生むことは認められていなかったそうです。妊娠すれば中絶を余儀なくされたようです。


大島の象徴です。亡くなられた方の魂が,風に乗って解き放たれることを願ってつくられたモニュメントです。このガイドツアーに参加することで
作品番号70 つながりの家/やさしい美術プロジェクト
のスタンプがもらえます。後は直島を残すのみですね。
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- 2010/11/11(木) 22:50:47|
- アート/美術展/博物展
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