こんにちは。今週のアートシーン,担当のkazumiです。
スミマセン。またも調子に乗りました。
今回はここ。一度行ってみたかったんですよ。
京都国立近代美術館・別館。
そして,これまた大好きなパウル・クレー展が開催されていたので,行ってきました。
まずは,京都国立近代美術館・別館です。
場所は岡崎公園の中,平安神宮の真っ赤な鳥居の足元,左側にあります。
正方形を基本とした控えめなデザインは,周囲のの歴史的な景観と反発することなく,
あたかも,昔からそこにあったかのように溶け込んでいます。
“昔からそこにあたかもしれない・・・”
スミマセン。
調子に乗りました。
そして,彩色の少ない薄い灰色は軽快なイメージ。
道路の反対側の京都市美術館の重厚な建物とは対照的です。
そこに建っているのではなく,そこに置かれているような印象を受けました。
では中に入りましょう。
館内は天井が高くホールは3階まで吹き抜けで,開放的な空間が確保されています。
この京都国立近代美術館・別館はCASA BRUTASの日本の美術館100選にも入ってましたね。
略してMOMAK(The National Museum of Modern Art,KYOTO)
というらしいのですが,MOMAKがもうまく,つまり網膜と読めるところもいいですね。
ヒトの眼球にある光受容器のことなんですが,
光の強弱を感じる細胞,つまり明暗を感じ取る細胞と,
色彩を感じる細胞,光の3原色を感じ取る細胞の2種類の視細胞が分布しています。
MOMAKと網膜が向き合います。
光を受容するのは網膜ですが,視覚が生じるのは大脳の新皮質。
MOMAKも作者が放った輝きを受容するだけ。
それをどのように感じ取るかは大脳を持つ私たちにまかされています。
それにしてもパウル・クレー,人気がありますねえ。
日本では特に人気があります。
具象と抽象の真ん中より,ちょっと具象寄りなところが,専門家でなくても分かりやすい,または,
分かったような気がするところが,私には好きです。
あんまり好きなんで,マグカップでしょ,クリアファイルでしょ,
トートバッグに,記念切手まで買ってしまいました。
Tシャツほしかったんですが,サイズが,サイズが・・・ねえ。
もちろん図録も絵葉書も買いましたよ。
すこしご紹介しましょう。
花ひらいて
左)卵のある
右)襲われた場所
左)庭園建築のプラン
右)結晶化
カイルアン,門の前で
カイルアンの様式で,穏やかな調子に移しかえて
今回の展示はクレーの絵画的手法にスポットが当てられています。
例えばこれはドローイングの下に黒い油絵の具を塗ったシートを敷き,上からドローイングの線を針でなぞることで,油絵の具の下に敷いた紙にドローイングの描線を転写する方法で描かれたものです。
ですから,原画のドローイングには針でなぞった跡がたくさんついています。
転写するときについた手の跡も作品に残っているものもあります。
次に紹介するのは,クレー独特の切断術です。
クレーの作品には,元は1つの絵だったのに切断されて2つの作品に分かれているものが多く残されています。
中には,まったく異なるテーマの2つの絵になったものもあります。
自分の作品を切断するのは当時では勇気のいることだったと思います。
次は作品の裏にも絵が描かれている作品が多いんです。
これは画材の節約やそんなことではなくて,この作品の裏にはこの絵を描こうというように,
意図されたものだそうです。
これはチケット。アトリエの写真ですね。
関西での会期はもう終わってしまったんですが,
次は東京の国立近代美術館をを巡回の予定。
満足感の高い、充実した時間をすごすことができました。
お近くの方はゼヒ。
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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2011/05/20(金) 02:10:00|
- アート/美術展/博物展
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