
こんにちは,kazumiです。
うどんブログだったはずだったんですが,いつのまにか旅ブログみたいになってますね。
さて,恐竜博,密教美術と堪能したこの日の晩御飯はここです。
寿司です。江戸前寿司です。
しかも,新作寿司や創作寿司ではありません。
おそらく東京でも数少ない,昔ながらの江戸前の仕事が保存されている喜寿司に行ってきました。
喜寿司 (きずし) と書きましたが,喜の字は七の字が3つの方です。

予め電話で予約していたんですが,初めてのお寿司屋さんは緊張しますね。
場所は人形町。下車して徒歩すぐのところにあるんですが,いかにも老舗らしい佇まい。
伝統を感じる落ち着いたお店の構えです。
さあ,入ってみましょう。
白木のカウンターがまず眼に入ります。がです。
お客さんが眼に入らないんです。
客はゼロ,いや私一人。
「ちょうどいまみなさんお帰りになったとこなんです。」
あちゃー,これは緊張するどころじゃないですよ。
でもあきらかにこのお店のご主人を独り占めして握ってもらうことが出来るのは,
またとないチャンスかもしれません。
まずは,暑かったのでビールを,そしてお寿司はおまかせで。
お通しで枝豆が来ました。
まずはスズキから。夏が旬の魚ですね。
白身からスタートです。
中トロ,カツオと続いたまでは覚えているのですが順不同です。
貝柱はホタテではなくタイラ貝。香川でもお馴染みのタイラギですね。
シャクシャクした感触が美味しいです。
コハダです。「ようやくこの大きさになりました。」
シンコよりはちょっと大きくなったところですね。それでも2枚付けです。
締め具合が私の好みにぴったりです。
アナゴは羽田。皮目を上にして握ります。
これ珍しいですね。
普通は実を表に握りますよね。
エビは大きめのクルマエビ。甘酢につけたものではないほうです。
イカはスミイカ。ねっとりとした歯ごたえ。
コリコリとした赤貝。
細かい包丁目が仕事の丁寧さを示しています。
玉子は鞍掛け。よく見てください。おぼろがしのばされています。
これで10貫です。
まだ入りますので,ここからはお好みで握ってもらいました。

まずは,イカの印籠詰め。
江戸前の昔の仕事です。
東京でも印籠詰めはほとんど見当たらないそうです。
茹でた小さめのヤリイカの胴にシャリと刻んだ干瓢,ガリと海苔を詰めたものです。
ツメが塗られています。

煮イカ。これも絶滅危惧種ですね。さっきのヤリイカを握ったものです。
アジをもらったあと,おぼろの巾着です。

これはもうこのお店でしか食べることは出来ないかもしれない江戸前の仕事寿司です。
ピンクは白身やエビを使ったおぼろでをシャリとあわせて布巾で包み,
巾着に仕上げた後,黄身おぼろを真ん中に配します。
「これは和菓子の手法です。」

そして締めはサバ巻きです。
締めサバとガリ,白ゴマを細巻きに。
「これも江戸前の仕事ですが?」
「いや,これは私が美味しいと思ったから。」
「さよで。」
握りには煮切りやツメが塗られていますので,醤油の小皿を使うことはほとんどありません。
ご主人はこちらの背筋がピンとなるような凛とされた紳士でした。
でも丁寧にタネの産地についても詳しく教えてくれます。
脇の職人さんは人懐っこい笑顔が印象的で,こちらの緊張を和ませてくれます。
そして,若い職人さんの教育も行き届いているようです。
なるほど,こんな風に江戸前の伝統が守り伝えられていくのかと納得しました。
東京都中央区人形町2-7-13
03-3666-1682
月~金 11:45~14:30 17:00~21:30
土 11:45~21:00
定休:日祝
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- 2011/08/16(火) 17:00:00|
- 寿司
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こんにちは,kazumiです。
夏休みを東京で過ごしていますが,これが最後になります。
東京国立博物館に行くと必ず訪れるところが,法隆寺宝物館です。
国立博物館の敷地の片隅の木々を抜けると見えてきます。
法隆寺宝物館という名前に反してスタイリスティックな建築です。
この建物の一角にレストランがあるんですが,ご存知でしょうか。
今回のランチは法隆寺宝物館内のHotel Okura’s Restaurantにいってきました
注文したのはGASTONOMIC PLATE(ガストロノミック プレート)です。
Today’s Soup
本日のスープ
Assorted Seafood Smoked
ホテルオークラ特製スモークの盛り合わせ
Sauteed Nail-Parch and Ratatouille with Genoa Souce
ナイルパーチのソテー ラタトゥイユ ジェノヴァソース添え
Cold Roasted Beef
冷製ロースとビーフ
Today’s Cake
本日のケーキ
ここには法隆寺から寄贈された多数の宝物がびっくりするほど高密度で展示されています。
しかも国立科学博物館同様,一部を除いて写真撮影が可能です。
そして,企画展を開催している平成館や本館に比べてはるかに人は少なく
落ち着いて展示品を見ることができます。

さあ,一旦大阪に帰って奈良行かな。
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- 2011/08/16(火) 16:00:00|
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こんにちは,kazumiです。
今回はまたも上野です。
上野の東京国立博物館に来ています。
7月20日から開かれている『空海と密教美術展』に行ってきました。
今年は親鸞,法然と区切りの御遠忌にあたりさまざまな催し,展覧会が開かれていますが,
今回は空海です。

このブログをご覧になっている讃岐うどんファンの方はご存知ですよね。
空海は香川県今の善通寺市の出身。
都から遠く離れた讃岐出身のハンデは,今とは桁違いだったに違いないと思います。
勉学に励んで遣唐使に選ばれ,中国の書法,密教の奥義,うどんの3点を持ち帰ったのは有名な話です。
今回の目玉はコレです。
①密教美術の原点が大集結
②展示作品の98.9%が国宝・重要文化財
③空海直筆の書5点が公開
④東寺講堂の仏像曼荼羅を体感
⑤会場全体が密教宇宙を示す大曼荼羅となる
うどんに関するものは展示が見送られたようですね。笑)

左)国宝 聾瞽指帰(ろうこしいき)
空海の直筆です。
仏教に暗く,聞く耳を持たないものに教えを示すという意味です。
右)国宝 紫紙金字金光明最勝王経
これも空海の直筆ですが,聾瞽指帰とちがってしっかりとした楷書で緊張感があります。
紫の地に金の字が鮮やかです。

左)国宝 御請来目録
最澄の筆です。
唐から空海が持ち帰った経典,曼荼羅,絵画,法具などを記録した目録です。
佛舎利八十粒,白螺貝一口などと読めますね。うどんはないようです。
右)国宝 密教法具
これは東寺蔵。密教法具の最高峰として国宝に指定されています。

左)重文 四天王五鈷鈴
香川県弥谷寺の所蔵です。八十八ヶ所の一つ,弥谷寺は岩窟で空海が修行した寺としても有名ですね。
寺伝では空海が唐から請来した法具といわれています。
右)国宝 錫杖頭
善通寺蔵の国宝です。善通は空海の父,佐伯善通から。
唐にわたって密教を携えた空海は京都の神護寺に居を構え,高野山の金剛峰寺そして東寺を開きます。
現在の東寺の講堂には,四天王,二天,五菩薩,五仏,五明王の計21体の仏像が安置され,
さながら立体曼荼羅です。
空海は御請来目録の中で
『密教は奥深く,文章で表すことは困難である。代わりに図画を借りて悟らないものに開き示す』
と書いています。密教理解において,造形物の重要性を示したもので,東寺講堂の立体曼荼羅はこのような考えに基づいたものなんでしょう。
今回の目玉はなんと言ってもこれですよね。
この立体曼荼羅を形成する仏像群から選抜されたいずれも国宝8体が
しかも展示場内に点在するように置かれた仏像は,360度すべての方向から見ることができます。
これは,本家の東寺ではできないことです。
8体ではではありますが,そのお姿の後ろまで見ることができるのは,一昨年の阿修羅展と同様です。

左)梵天
右)帝釈天

左)持国天立像
右)増長天立像

左)降三世明王立像
右)大威徳明王立像
左)金剛業菩薩坐像
右)金剛法菩薩坐像
さて,図録とチケットです。
図録表紙と裏表紙の“空海”の文字は『聾瞽指帰』から取ったもの。
空海の直筆ですね。

そして,今回はガチャガチャではなくフィギュアです。
よくできてますが,これ高いんです。4つも買いました。


ところが右のストラップ見てください。この出来。これで945円。
こっちのほうがよかったかな?
『この夏,マンダラのパワーを浴びる。』『国宝重要文化財98.8%』と刺激的なコピーが並んでいます。
99点のうち98点が国宝・重要文化財。
残り1点はなんと,空海所有の数珠なんです。スゴイですね。
会期は9月25日まで。
けっして東寺では見られない宝物の数々。
これは,ぜひともご覧になってほしいですね。
テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2011/08/16(火) 06:30:00|
- アート/美術展/博物展
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