
こんにちは,kazumiです。
青森県十和田市のArts Towadaの続きです。
今回は,十和田市現代美術館をご紹介しましょう。長いですよ。
あっ,もちろん今回もうどんはありません。

アート広場の道路を挟んで反対側に,真っ白ないくつものキューブが点在し,渡り廊下でつながれた構造です。
そのいくつかは開口していてガラス面になっており,外からその中が見えるようになっています。
一つのキューブごとに一つの作品が展示されています。
大変ぜいたくな空間設計です。
では,外から見えるものからご紹介しましょう。
オクリア/Ochrea
ポール・モリソン
10m×20mの大きな壁画です。青森らしくリンゴの木です。
と思ったら,神話に出てくるリンゴの木なんだそうです。
フラワー・ホース/Flower Horse
チェ・ジョンファ
官庁街通りは旧陸軍軍馬補充部があったことから『駒街道』の名前で市民の間で親しまれているそうです。
馬つながり,だそうです。
このカラフルな馬ですが,5mもあります。
アッタ/aTTA
椿 昇
凶暴な顔をした大きな赤いアリです。

ところが,コレ,ハキリアリといって森の木の葉っぱを切り出して菌床とし,キノコを栽培するという農耕アリです。

消費社会によって省みられなくなった農業が,現代社会に警鐘を鳴らしています。
フライングマン アンド ハンター/Flyingman and Hunter
森北 伸
建物の上に小さな人がいるんですが,見えますか?

無題/Untitled
マイケル・リン

十和田市の伝統工芸の南部織りから着想した花のパターンです。
コーズ・アンド・エフェクト/Cause and Effect
スゥ・ドーホー
数万体の樹脂製の人形が肩車をするように長く連なって天井から吊られています。
スゥ・ドーホーといえば金属製の小さな人形の四肢をつなげて網のようにした作品を瀬戸芸で発表した方です。人と人とのつながりを表現しているように見えて,実は人によって人が縛られている人間関係の窮屈さを表していたりします。
光の橋/Bridge Of Light
アナ・ラウラ・アラエズ

近未来っぽいというか,SFっぽいデザインです。
中では音楽が流れています。光と音との作品です。

さあ,それでは中に入ってみましょうか。
エントランスホールでチケットを買いましょう。
ゾボップ/Zobop
ジム・ランビー
チケットカウンターもあるエントランスホールの床も,実はアート作品です。
お見逃しないように。
スタンディング・ウーマン/Standing Woman
ロン・ミュエク
この美術館の白眉たる作品です。
リアルではないサイズの,一番リアルに怖いサイズの,リアルな人体です。
進撃の巨人って,こんな感じなんでしょうね。
メモリー イン ザ ミラー/memory in the mirror
キム・チャンギョム
鏡にはさまざまな人のありふれた日常のひとコマが鏡を通して描かれているはずなんですが,実はそこには鏡はありません。横の時計や水槽も何もないところに写された映像なんです。
ザンプランド/Sumpf Land
栗林 隆

彼のテーマは境界線。天井が水面とつながっています。
水面から顔を出しているアザラシと鑑賞者は同じ様な格好になってるところがおもしろいですね。
闇というもの/The Thing Called Darkness
マリール・ノイデッカー

2階にあがると,暗い森の中です。
この森,全部つくりものでできているんです。すごいディテールです。
念願の木,三途の川,平和の鐘/From foreground:
Wish Tree for Towada, riverbed,Bell of Peace
オノ・ヨーコ
この木はリンゴの木で,短冊に願い事を書いて吊るすことができます。
短冊は年に一度集められて,レイキャビクにあるイマジン・タワーの台座の中に納められます。
玉砂利を三途の川に見立てた作品とで館内の中庭を構成しています。

願いが叶うことを祈りながら鐘をたたきましょう。
ロケーション(5)/Location(5)
ハンス・オプ・デ・ビーク
入ると真っ暗な空間です。
眼が慣れてくると,そこがドライブインの中であることが分かります。
窓の外はどこまでも続くハイウエイが見えます。
60年代の古い音楽が流れる不思議な空間です。
無題/デッド・スノー・ワールド・システム Untitled Dead Snow World System
ボッレ・セートレ
真っ白な部屋にはいると3面のディスプレーとミラーボール,そして山羊。
作者の意図はどこにあるのでしょうか。
オン・クラウズ(エア・ポート-シティ)/on clouds(Air・Port-City)
トマス・サラセーノ
網目状のひもでつながれたバルーンです。
まさにバルンガみたいです。
あっちとこっちとそっち/there,here and over there
山極満博館内に点在する4つの作品です。
どれも小さくって,分かりにくいところにあります。

この2つは比較的分かりやすいかと。
でも小さなおとしものは見えていてもコレが作品であることに気がつかないかもしれません。
4つ全部見つけることができるでしょうか。
私は2つギブアップして館内の方に聞きました。
1つがこれです。

分かりますか? 50cm角の小さな立方体。
これがもう1つの作品です。

あと1つはナイショです。
松 其の三十二/Pine no.32
山本修路
ウォール・ペインティング/Wall painting
フェデリコ・エレーロ

屋上に出ると真っ青なペインティング。
階段を囲む空間もペインティングされた作品のひとつです。
エレベーターと階段の両方を使わないと,すべての作品を楽しむことができません。
どうでしょうか,十和田市美術館。
なかなかおもしろいでしょ。
東北新幹線も開通して青森東京間は約3時間です。
大阪から一気に行くと6時間以上もかかって,ちょっと疲れてしまいますが,
東京で宿泊すると始発の新幹線で昼前には十和田市現代美術館前です。
そのまま奥入瀬や八甲田周辺も旅程に入れれば,現代アートと大自然を一度に楽しむことができます。
紅葉の季節なんかいいかもしれませんね。
青森に行った目的は,まだ2つあるんですがまたの機会に。
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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2011/08/30(火) 03:00:00|
- アート/美術展/博物展
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