
こんにちは,kazumiです。
せっかくうどんブログに戻ったと思ったら,また展です。
うどん目当ての方,すみませんね。
さて,芸術の秋です。
奈良では正倉院展が11月24日から開かれています。
東京では空前の国宝展,日本の国宝展が東京国立博物館で大盛況らしいです。
その他にも,東山御物の美展は三井美術館,
サントリー美術館では高野山の名宝などなど。
大きな展覧会が各地で開かれています。
洋画関係では,東京都美術館でウフィツィ美術館展,
新美ではチューリッヒ美術館展,
三菱一号館ではミレー,
汐留のパナソニックではキリコとまあ,枚挙にいとまがありません。
見たい展覧会はたくさんあるのですが,お休みの日は限られています。
1日に何軒もはしごできたらいいのですが,
そんな駆け足で美術館を回るのもどうなんでしょうね。
やっぱり美術館や博物館に行くときは,
心を穏やかにして,
気持ちにゆとりを持って,
ゆっくりとじっくりと鑑賞したいものです。
うどんじゃあるまいし,数を競うものではありません。
うどんだって,数を競いながら食べるものではありませんしね。
それでも,道を挟んで2つの美術館が向かい合っているほど近ければどうでしょう。
はしごは可能ですね。
その2つの美術館で,共通のテーマで展覧会を行ってたらどうでしょうか。
印象や感想が混同せず,むしろ,両者を比較できるという利点すら考えられます。
そんな素敵な2つの展覧会が行われているというので,
まずは,京都国立近代美術館で行われている,ホイッスラー展に行ってきました。

ホイッスラーはアメリカの画家です。
主にロンドンとパリで活躍されていたそうです。
1903年に69歳で亡くなられていますから,活躍していたのは1800年代後半。
100年ちょっと前,1世紀昔の画家と考えていいでしょう。

さて,このホイッスラー展のテーマの1つがジャポニスムの影響。
ジャポニスム?
ジャポニスムとは,パリ万博以降,ヨーロッパの芸術家の活動に大きく影響を与えた
日本文化のことです。
例えばこちらはホイッスラーの代表作,
ノクターン:青と金色―オールド・バターシー・ブリッジ/名所江戸百景の京橋竹がし:歌川広重

構図に共通点が見られますよね。
描きたい対象を画面いっぱい大きく描くという大胆な構図は,
欧米にはなかったんでしょうね。
白のシンフォニー No.2:小さなホワイト・ガール

手には団扇。
朱塗りのお椀や染付の白磁の壺。
紫とバラ色:6つのマークのランゲ・ライゼン

陶器に絵付けする女性を中心に日本の染付け皿や椀,壺が描かれています。
これらは,ホイッスラーのオリエンタル・ペインティングと呼ばれる,
異国趣味あふれる作品群の初期のものだそうです。


展示室は2階から入ります。
その入り口には,
美の物語は,パルテノンの大理石がきざまれ,
北斎が扇の富士山の麓に鳥の刺繍をしたときにすでに完成している
という,ホイッスラーの言葉が掲げてあります。
北斎の浮世絵をもって,美の追求は終わりを遂げたということでしょうか。

音声ガイドはリリー・フランキーさん。
ダンディなホイッスラーにぴったりなお声です。

このホイッスラー展,会期は11月16日まで。
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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2014/10/30(木) 06:55:00|
- アート/美術展/博物展
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こんにちは,弾丸うどんライダーのkazumiです。
先日の四国新聞にこんな記事が。
本場のカレー身近に
提供店続々 手頃価格で
ということで,多度津のaslyが紹介されていました。

NICE TOWNの8月号か何かに載っていたので行ったことがあったんですよ。
本格的インド料理店には珍しくカレーうどんがあったんです。
ただ,ここはうどん屋さんではないので特にブログでは紹介するつもりはなかったのですが,

多度津のaslyと聞いてピンときました。
確か国道11号線から多度津に行くときにJRの線路をまたぐ跨橋の手前です。
元は
高嶋食堂のあったところです。
昔からあるうどん食堂で,いい感じのお店でしたね。
さて,aslyです。
あすりーと読みます。

店内はカウンターがあって,テーブルがあって小上りまであります。
高嶋食堂のときとなんにも変っていません。
せっかく本格的インド料理店に来て,カレーうどんです。
お店の方はどんな気持ちだったんでしょうね。
カガワノヒトハコンナトコロデモウドンヲタベルノカ?
ま,私は香川の人ではないんですけどね。
私だって,ほんとはインド料理のちょっとしたコースを食べたかったんですよ。
宿命でしょうか。
宿命と書いてさだめでしょうか。
性と書いてさが。
本気と書いてマジみたいなもんでしょうか。

さて,さて,カレーうどんです。
本格的インド料理屋さんで出てくるカレーうどんなので,
どんなに辛いかと思ったのですが,
ビックリするほどクリーミーです。

麺は冷凍でしょうね。
これは仕方がないです。
仕方がないどころか,私は冷凍麺にあんまり抵抗がありません。
冷凍麺,美味しいですしね。
asly
香川県多度津町桜川1-3-10
0877-33-0277
11:00~15:00
17:00~22:00
定休:第一月曜

食後に飲みました。
ラッシーです。
テーマ:こんな店に行ってきました - ジャンル:グルメ
- 2014/10/26(日) 17:55:00|
- 香川県多度津町
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こんにちはkazumiです。
先日の四国新聞にこんな記事が。
丹下健三建築の保存と取り壊しの問題です。
丹下建築の代表作と言える香川県庁舎のことです。
こんな有名な建築物ですら,取り壊しの声が上がっているのには少し驚きました。
2013年は丹下健三生誕100年の記念の年で,
瀬戸内国際芸術祭や様々なメディアに取り上げられたばかりです。
なのに取り壊しの話が出ていたんですね。
明らかに価値があるものは残りますが,
即物的な価値が見いだせないものは時間とともに無くなっていきます。
そして,ふと立ち止まって身の回りに見当たらなくなって,
振り返ってみて初めてその無くなったものの存在に気が付きます。
そのときに残ったわずかなものは,
当時の空気を残すものとしていきなり貴重品扱いになります。
古いおもちゃがその代表でしょうね。
数が少なくなってその存在が貴重になっても,価値を見出す人が現れなければ全滅です。
昭和の木造アパートなんかは絶滅の道をたどることになるでしょうね。
建築物は老朽化に加えて耐震性の問題があるのでなおさらです。
それに使いづらくなった建物が上に乗っかっていると,
不動産的価値も下がってしまいます。
こちらは所有されている方にとっては大きな問題です。
いつか日本に残った最後の木造アパートが,
重要文化財や国宝にしてされる日は来るのでしょうか。
この記事によると,船の形で有名な高松市体育館はその役目を終え,と書いてあります。
このままでは取り壊されてしまうのでしょうか。
残念ですね。
同じ時期に建てられた,東京の代々木第一体育館なんてまだまだ現役で,先日も
Perfumeのツアー最終日の会場として利用されてました。
東京とかオリンピックとかライブ会場とか,
高松市体育館にはない付加価値があるので残されるのでしょうが,
船の形のユニークさくらいではだめなんでしょうね。
丹下健三の活躍した時期から考えると,
代表作のいくつもが老朽化の曲がり角に来ています。
香川県庁庁舎や高松市体育館以上に顧みられることの少ない,
愛媛県今治市内に集中している丹下建築群なんかは,
取り壊しの話題すら知らないままに,無くなってしまうのかもしれません。
テーマ:建築 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2014/10/25(土) 17:55:00|
- 建築
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こんにちは,弾丸うどんライダーkazumiです。
今回も展です。
京都国立博物館まで来て平成知新館だけでは,もったいないですね。
元々あった本館は明治考古館と名前を変えました。
実はこちらの本館で開かれている特別展が大人気。
入館までに1時間以上。
入館してから,それを見るまでにさらに1時間。

並んでいる皆さんのお目当てはというと,これです。
国宝 鳥獣人物戯画。

特別展覧会 修理完成記念 国宝 鳥獣人物戯画と高山寺に行ってきました。
もっとも有名な国宝の1つにして,国内最古の漫画といわれる
国宝 鳥獣人物戯画は全4巻。
4年間の修復完成を記念したこの展覧会では,
もっとも有名な甲巻から,あまり知られていない丁巻までの全4巻を一堂に見ることができるんです。

今回の見どころは何といっても鳥獣人物戯画ですが,
図録がいいんです。
この図録には,付録として4巻すべてが見られる豆本がついてきます。
この豆本が貴重なんです。


というのは,図録には鳥獣人物戯画のすべてが収録されているわけではないんです。
抜粋なんです。
ですから,全館すべての戯画を見ることができるのは,
この豆本と展覧会を置いて他にないのです。
そして鳥獣人物戯画はすべてがオリジナルのままそろっているのではありません。
本来は4巻の巻物だったのですが,そのうち一部は裁断され散逸しています。
屏風に使われたり,掛け軸に使われたのかもしれません。
裁断されたうちの2点が現在に残っています。

こちらが東京国立博物館に収蔵されている鳥獣人物戯画断簡。
蛙やウサギなどが登場するもっとも有名な甲巻の一部とみられる断簡です。
そして切り取られた残りをつなげた時の順番は元々のとは異なるらしいんです。
ストーリーの順場が合わない。
共通の損傷を持つ部分が連続していない。
使われた紙の繊維の方向が合わない。
などを考えると,
今存在する鳥獣人物戯画はオリジナルの順番ではないと考えられています。
じゃあ,元々はどういう姿だったんでしょうか。
その問のヒントになるのがこちら。
鳥獣人物戯画模本 探幽縮図

狩野探幽が描いた鳥獣人物戯画模本です。
この模本には現状の甲巻にはない図も多く残されており,
順番もずいぶんと異なります。

例えば猿が蛙の首に紐をかけて引き会うところや猿の棒高跳び,
兎の猿の囲碁のシーンは,
今伝わる鳥獣人物戯画には存在しません。
おそらく探幽が模写したのは裁断される前だったのでしょう。
現状にない図はいまだ行方知れず。
もうすでに無くなっているかもしれません。
そういう意味でも,今は見ることができない製作当時の姿を表しているといえるでしょうね。
会期は11月3日までが前半。
後半は11月5日から11月24日まで。
そうなんですよ。
4巻全巻を見るには,前半後半の両方見なければならないんです。

もう少しで,京都の紅葉も見ごろを迎えます。
紅葉の頃には後半でしょうか。
一番有名なこのシーンは後半の展示です。
勝った蛙の口から出ているのは声でしょうか,気でしょうか。
私には,ヨッシャーと叫んでるように見えます。


さてさて,この展覧会はこの秋の目玉中の目玉。
週末は2時間待ちくらいの覚悟でお越しください。
テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2014/10/23(木) 17:55:00|
- アート/美術展/博物展
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こんにちは,kazumiです。
もうすっかり秋です。
芸術の秋です。
ついに京都国立博物館の新館が完成を迎えました。
新館は平成知新館と名付けられました。
どんな建物ができるかと,ずっと楽しみにしていたんですが,
驚くほどシャープでスクエアなデザインでした。

薄いひさし。
華奢な柱。
細い手すり。
曇り空に溶け込むような薄い色彩。
ガラス面を多用したファザードは周囲のシルエットを映します。
手前には池が作られ,背の低い噴水が湧き出しています。
池の上にふわりと浮かぶような,
体積に反して重厚さを感じさせない外観です。

これって,東京国立博物館の法隆寺宝物館に似てますよね。
こちらも池の上に建てられた,前面にガラスが張られた四角い建物。
実はどちらも同じ世界的建築家の谷口吉生さんの設計です。
さて,その新館(平成知新館)の落成記念の展覧会が開かれています。
平成知新館オープン記念展 京(みやこ)へのいざない
に行ってきました。


平安遷都から明元年までの約1000年間,長らく日本の首都であった京都の地に,
時代々々で芽生えた数々の京分化の粋を一堂に集めた,空前の規模の展覧会です。
すでに第1期の展示期間は終了しており,今は第2期の展示ですが,
それだけでも24点もの国宝が展示されています。



では中に入ってみましょう。
外観では障子のように見えたガラス面からは明るく,しかも柔らかい光が射しこんでいます。
外観同様に階段,柱,床面のすべてが直線的。
そして縦横の面はともに薄く,柱は細く。
まったく重厚さを感じさせません。
むしろそちらの方は,展示物の方に任せたかのようです。
そして,全体的暗い空間に,宝物を際立たせるシャープな照明。

これらがわずか,わずか520円で見ることができるんです。
そうなんです。
特別展のように見えて,この催しは常設展の扱いなんです。


たくさんの宝物と,最新の展示技術の粋を集めた平成知新館を
520円で見ることができるんです。
国内でもっとも価値のある520円だと思うのですが,いかがでしょう。

会期は11月16日まで。
いまは第2期の展示替えで,桃山 秀吉とその周辺です。
テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2014/10/23(木) 06:55:00|
- アート/美術展/博物展
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