
こんにちはkazumiです。
先日の四国新聞にこんな記事が。
丹下健三建築の保存と取り壊しの問題です。
丹下建築の代表作と言える香川県庁舎のことです。
こんな有名な建築物ですら,取り壊しの声が上がっているのには少し驚きました。
2013年は丹下健三生誕100年の記念の年で,
瀬戸内国際芸術祭や様々なメディアに取り上げられたばかりです。
なのに取り壊しの話が出ていたんですね。
明らかに価値があるものは残りますが,
即物的な価値が見いだせないものは時間とともに無くなっていきます。
そして,ふと立ち止まって身の回りに見当たらなくなって,
振り返ってみて初めてその無くなったものの存在に気が付きます。
そのときに残ったわずかなものは,
当時の空気を残すものとしていきなり貴重品扱いになります。
古いおもちゃがその代表でしょうね。
数が少なくなってその存在が貴重になっても,価値を見出す人が現れなければ全滅です。
昭和の木造アパートなんかは絶滅の道をたどることになるでしょうね。
建築物は老朽化に加えて耐震性の問題があるのでなおさらです。
それに使いづらくなった建物が上に乗っかっていると,
不動産的価値も下がってしまいます。
こちらは所有されている方にとっては大きな問題です。
いつか日本に残った最後の木造アパートが,
重要文化財や国宝にしてされる日は来るのでしょうか。
この記事によると,船の形で有名な高松市体育館はその役目を終え,と書いてあります。
このままでは取り壊されてしまうのでしょうか。
残念ですね。
同じ時期に建てられた,東京の代々木第一体育館なんてまだまだ現役で,先日も
Perfumeのツアー最終日の会場として利用されてました。
東京とかオリンピックとかライブ会場とか,
高松市体育館にはない付加価値があるので残されるのでしょうが,
船の形のユニークさくらいではだめなんでしょうね。
丹下健三の活躍した時期から考えると,
代表作のいくつもが老朽化の曲がり角に来ています。
香川県庁庁舎や高松市体育館以上に顧みられることの少ない,
愛媛県今治市内に集中している丹下建築群なんかは,
取り壊しの話題すら知らないままに,無くなってしまうのかもしれません。
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テーマ:建築 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2014/10/25(土) 17:55:00|
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