kazumiの  行ってきました

讃岐うどんとライブとアートの記録です。

原美術館

P1160867.jpg

こんにちは,kazumiです。 

今回もうどんはお休みです。
うどんはしばらくありませんから,安心してお帰りになってください。

さて今回は美術館というか,建築というか。
美術館に行く目的を考えてみてください。
たぶん,そこでは何らかの企画展が催されているんでしょうね。
そして,なにかを見る。
お目当てのものを見る。
それが目的だと思うんです。

でも,そうじゃない美術館があるんです。
それは美術館自身に魅力があって,
美術館そのものが目的になりうる美術館があるんです。
例えば,香川県直島の地中美術館や
香川県豊島の豊島美術館なんかがそうですよね。

今回紹介する美術館も,美術館そのものに魅力がたっぷり。
そんな原美術館に行ってきました。

そもそも東京に来たのに東銀座や築地ではなく,品川に宿泊したのも
原美術館が目的だったからなんです。
原美術館の最寄り駅は京急北品川。
北品川といっても,JR品川駅より南にあるのに北品川駅です。

P1160868.jpg

さあ,こちらが原美術館。
美術館?
小さいでしょ。
ここはもともと大正・昭和の実業家,原邦造のおうちを美術館にしたもの。
建物は昭和初期の建築家,渡辺仁によるもの。
渡辺仁設計の建築物といえば,銀座四丁目交差点の和光がそうです。

話を原美術館に戻しましょう。
原氏の私邸だけあって,正面玄関には大きな弧を描く車止めがあります。
この曲線を90°右に回すと奥の建物の曲線と一致します。
正面から見るとスクエアに見える建物ですが,中庭をはさんで
直線と曲線が共存した造りになっています。

この原邸が建てられたのは1938年ですから,昭和13年。
戦前にしては大変モダンな作りです。
オリジナルから白いのか,のちに白く塗り替えられたのか,
いずれにしても春の陽を受けて,まばゆいほどに白く輝く姿は
まるで病院のようです。

建築物としての魅力だけではありません。
原美術館の魅力は常設展示作品です。
目立つところにあるものや,
細い階段の突き当りの部屋,
または,謎の扉を開けた向こう。
一見して,作品に見えなくて見落としていることもあるかもしれません。

まずは見てみましょう。
玄関から入ってすぐ。

ニーシェ インT/ナム ジュン パイク
P1160870.jpg
ロボットのような黒い影。
映像と音楽のインスタレーションだったはずですが,
残念ながら現在展示見合わせ中だそうです。


輪舞/森村泰昌
32856a51.jpg
裏庭に抜ける通路。
階段下の小部屋を覗いてみましょう。
音楽とともに明滅する
洋式トイレにひっくり返っているのは森村泰昌自身。
輪舞(ろんど)とは繰り返すメロディーに合わせて踊るダンス。
壁の鏡を使って無限の輪舞を踊っています。


募金箱『泉』/鈴木康弘

振り返ると壁に細長いスリットが開いています。
何人の方がこれに気づくでしょうか。
そして,何人の方がこれが作品と気づくでしょうか。


此レハ飲水ニ非ラズ/須田悦弘

2階に上がったところにあるデッドスペース。
壁には穴が開き,むき出しの配管や配線。
これのどこが作品かというと,配管に絡みついた植物。
これ実は木彫です。
タイル張りだったことから,昔はトイレだったのかもしれません。
長い間見向きもされていなかった空間を開けると,
花が咲いているなんて,生命力のすごさを感じます。


時の連鎖/宮島達男
P1160872.jpg
再び振り向くと見えるドア。
開けても中は真っ暗です。
間違って入ってしまったのでしょうか。
でもよく見ると頭の上と足元に赤と緑の数字が並んでいます。
発光ダイオードの数字はチカチカしながら時の連鎖を続けます。


My Drawing Room/奈良美智

このまま廊下を進んでギャラリーVの突き当りにドアがあります。
プライベートスペースに見えますが憶せず入ると・・・あらすごい。
そこは奈良美智さんの仕事場が再現されています。
床には何匹ものあおもり犬。
たくさんのドローイングが壁にかかってますが,
あれがオリジナルの本物なら全部でいくらするんだろう,なんて思ってしまいます。


ゼロの空間/ジャン=ピエール・レイノー
P1160869.jpg
細い階段を上るともう1つ部屋があります。
中はというとタイル張りの空間。
この空間そのものが作品。
四角いタイルがただただ端正に並んでいるだけ。
変化もなく何も生まれてくる気配もない。
まさにゼロの空間です。


アートのほうき かえりな垣/杉本博司

1階に戻ってギャラリーⅡの奥のサンルームの窓から外を覗くと見えるのがこの作品。
ほうきが逆さまになって並んでいるだけ。
世界的に有名な写真家杉本博司の作品です。


Newspaper-84-E/三島喜美代

カフェの店内から中庭に出ることができます。
中庭にもたくさんの作品がありますが,そのうち2つだけ紹介しましょう。
くしゃくしゃに丸められた新聞紙。
実は陶器製です。


関係項/李禹煥

芝生に4個の石と鋼板。
いかにも禅的な作品です。
李禹煥の名前で気づいた方が多いでしょう。
直島のベネッセサイトの一角にある李禹煥美術館の李禹煥です。
安藤忠雄建築の李禹煥美術館の李禹煥です。

紹介した作家のうち,逝去したナムジュンパイクとレイノー以外は,
直島・豊島・瀬戸内国際芸術祭に作品を展示しています。
北品川の原美術館で立ちのぼったアートの空気が,
再び瀬戸内の島で集って,島々に風となって舞い降りるなんて。
こんな素晴らしいことってありますか?


P1160874.jpg

ちなみにこの日の企画展は写真家の蜷川実花。
これもよかった。
 
 
 
 
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テーマ:美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2015/04/11(土) 17:55:01|
  2. アート/美術展/博物展
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  1. 2015/04/12(日) 16:40:28 |
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