第二十八回 四国こんぴら歌舞伎大芝居 お練り

こんにちは,kazumiです。
いやーすごかったですね。
雨ですよ。風ですよ。
一時はもう目の前が真っ白になるような,そんな真横から強くスプレーを吹き付けられるような,
そんな天気でした。
一日ずれていればこのイベントはどうなってたでしょうか。
今日は,第二十八回 四国こんぴら歌舞伎大芝居のお練りに行ってきました。
台風一過とはよく言うもので,爆弾低気圧の翌日は雲ひとつない快晴のお天気。
今年のヘッドラインはなんといっても国の文部科学大臣が 指定した重要無形文化財の保持者のお一人。
人間国宝の中村吉右衛門さんです。

・・・えっ,吉右衛門さんを知らない?
歌舞伎に何の興味もない方でも,鬼平犯科帳の鬼平といえばわかるでしょう。
あの鬼平が琴平に帰ってきたんです。
“帰ってきた”の説明は後に回すとして。
さて,お練りは一座の興行の無事と成功を祈願しながら役者が道中を練り歩くこと。
天神祭りの船渡御もこのひとつですね。
四国こんぴら歌舞伎のお練りでは,金陵の郷が出発点。
こんぴらさんの参道から琴電琴平・JR琴平を通って,こんぴらさんの目抜き通りを練り歩きます。




振り出しの金陵の郷周辺は多数の観光客や地元の方でいっぱいです。
みなさん,この日を待ち望んでたんですねえ。
まずは,榎井小学校の児童たちの子供瓦版屋が翌日4月5日の初日を触れ回ります。


こんぴら丸と書かれた船型の小さな山車に囃し方が乗り込みます。
齢御幾つでしょうか,三味線のお師匠さんと小粋なお姉さんに混じって乗り込むのは
なんと女子高生です。女子高生ですよ。
ジョシコーセーです。
彼女らは地元県立琴平高校の郷土芸能同好会のみなさんでした。
役者のみなさんがお出ましです。
お一人お一人人力車に乗って,花火の音とともにいよいよお練りの始まりです。
『はりまやー』『播磨屋っ』の声が飛び交います。


沿道の何人かが色とりどりの紙ふぶきを撒いています。
この紙ふぶきは地元の一人のおばあさんが,新聞についてくるチラシを切って作ったものなんです。
ビニール袋に小分けされて配ってらっしゃいました。


さて,列立てを整理しましょう。
先頭は宮島観光協会のみなさんが隊列を先導します。


大きなうちわを持って賑やかしているのは香川短期大の提灯みこしです。



横断幕の二人に続いては金棒引の3人。
金刀比羅宮の宮司が錫杖を鳴らしながら邪気,毒気をはらいます。
その後ろにはこんぴら観光大使の歌舞伎娘。

琴平高校と芸妓衆のだんじりおはやしが金比羅船々を奏でます。
いよいよ役者のみなさんです。
もちろん先頭は座長の中村吉右衛門さん。
沿道からは『お帰りなさい』の掛け声が聞こえます。


実はこの四国こんぴら歌舞伎大芝居は香川県琴平町にある金丸座という芝居小屋で演じられるのですが,
この金丸座が旧金比羅大芝居として移築改修され乎煮の重要文化財の指定を受けたのを期に,
中村吉右衛門さんの声かけで昭和60年(1985年)に第一回公演が行われたんです。


いわば吉右衛門さんは四国こんぴら歌舞伎の生みの親なんです。
後に続くみなさんは,


中村又五郎さん。歌昇さん種之助さんとは親子で競演です。
。


中村歌昇さん 父は又五郎,弟は種之助。

中村歌六さん

中村芝雀さん

中村錦之助さん 又五郎さんは従兄弟同士です

澤村由次郎さん

大谷桂三さん それにしてもベテランの方は一瞬で目線を合わせてくれますね。


中村種之助さん


中村米吉さん


中村隼人さん
なにコノ,目線+笑顔+ピース の最強コンボは
吉右衛門さんもそうなんですが,イケメンの若手俳優には握手を求める手が後を絶ちませんでした。


最後は金陵の郷で鏡を開いて乾杯。もちろん金陵です。
三本締めで,興行の成功と千穐楽までの無事を祈りました。